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オー・ブラザー!

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オー・ブラザー!

監督
ジョエル・コーエン
製作
イーサン・コーエン
原作
ホメロス「オデュッセイア」
脚本
ジョエル & イーサン・コーエン
撮影
ロジャー・ディーキンス
美術
デニス・ガスナー
音楽
T=ボーン・バーネット
出演
ジョージ・クルーニー(エヴェレット)
ジョン・タトゥーロ(ビート)
ティム・ブレイク・ネルソン(デルマー)
ジョン・グッドマン(聖書セールスマン)
ホリー・ハンター(エヴェレットの妻)
マイケル・バダルコ(ジョージ・ネルソン)
クリス・トーマス・キング(トミー)
制作年
2000年
製作国
アメリカ

ストーリー

1930年代、ミシシッピー州のとある刑務所に服役するエヴェレット(ジョージ・クルーニー)は、服役前に隠しておいた120万ドルを取り戻すため、ピート(ジョン・タトゥーロ)とデルマー(ティム・ブレイク・ネルソン)を誘って脱獄する。途中、不思議な盲目の老人に出会った彼らは、これから体験する数奇な運命について予言を受ける。

例によってダメ人間にスポットライトを当てた、コーエン兄弟お得意の脱力系コメディ。また、音楽系のロードムービーとも言えるこの作品では、カントリーやブルース、ゴスペルなどのアメリカン・ルーツミュージックが主人公たちの珍道中に花を添えている。加えて、デジタル処理でセピア風の色彩に統一された映像の美しさが、1930年代・アメリカ南部のノスタルジックな雰囲気を際だたせている。

主役を演じる3人(ジョージ・クルーニー、ジョン・タトゥーロ、ティム・ブレイク・ネルソン)のキャスティングも見事。とにかくこの3人が一緒のシーンは不思議なくらい絵になる。どのシーンもポストカードにして残しておきたいくらい(笑)。

ジョージ・クルーニー扮(ふん)するエヴェレットの「頭は切れるが意外に天然」なキャラも良い。ポマード(「Dapper Dan(伊達男)」)に対する執着ぶりは笑える。そしてデルマー役のティム・ブレイク・ネルソンの個性も光っていた。ビートルズで言うとリンゴ・スターのような(たとえが古い?)とぼけた癒し系キャラを好演していた彼には、今後も注目していきたい。

コーエン作品には欠かせない常連ジョン・タトゥーロも、相変わらずの存在感を発揮。実は今回彼が演じたキャラ(ピート)を見ていて、海外ドラマ「名探偵モンク」でモンクの弟アンブローズを演じていたのが彼だったことに、今更ながら気づいた次第(*1)。気づくのが遅いにも程があるが...(汗)。

海外ドラマファンにはもうひとり注目なのが、「ザ・プラクティス」(*2)のジミー役でお馴染みのマイケル・バダルコ。人の良い弁護士ジミーとは180度違う伝説の銀行強盗役を怪演(?)していた。そのキレっぷりはお見事(笑)。

時間の流れがゆるやかなこの作品は、映画にジェットコースター的な刺激を求める向きには「ストーリー展開の遅さ」が気にくわないかもしれない。しかし、気になるシーンをリプレイしたりしながらディティールを味わいたいタイプにはおすすめ。そしてアメリカの古い音楽が好きな方にも一見(一聴?)の価値ありだ。

タイトルの由来

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「オー・ブラザー!(原題「O Brother, Where Art Thou?」)」は、コーエン兄弟が敬愛するコメディ映画の巨匠プレストン・スタージェス監督の「サリヴァンの旅」(1941年・米)で、主人公が撮ろうとしていた映画のタイトル。

プレストン・スタージェス - Wikipedia

現代版「オデュッセイア」?

ギリシャの叙事詩「オデュッセイア」をモチーフに作られた(と言っても冗談レベル?)この作品。いくつかそれらしい設定やシーンをピックアップしてみた。

  • 最初と最後に出てくる、トロッコをこぐ盲目の老人→盲目の予言者テイレシアス?
  • 「ズブ濡れボーイズ」→オデュッセウスらが旅の途中で何度も難破するから?
  • 主人公を歌で誘惑する洗濯女たち→海の魔女セイレーン。
  • ピートの姿がカエルに変えられる(笑)→魔女キルケーがオデュッセウスの部下を豚に変えるエピソード?
  • ジョン・グッドマン演じる片眼のセールスマン→一つ目の巨人キュクロプス。

まだまだ他にもありそう...。

※参考:オデュッセイア - Wikipedia

クロスロード伝説

「ズブ濡れボーイズ」の黒人ギタリストのトミーが「悪魔に魂を売り渡してギターテクニックを手に入れた」という設定は、ロバート・ジョンソンの「クロスロード伝説」からきている模様。

※参考:ロバート・ジョンソン - Wikipedia

ちなみにトミーを演じているクリス・トーマス・キング自身もブルース・ミュージシャンで、そのレパートリーはオーソドックスなブルースからヒップ・ホップの要素を加えた新しいブルースまでと幅広い。

俳優としてもミュージシャン役で「ソウル・オブ・マン」(2003年・米)や「Ray」(2005年・米)に出演。

★主なアルバム。

★出演映画。

ベビーフェイス・ネルソン

マイケル・バダルコ演じるジョージ・ネルソン(ベビーフェイス・ネルソン)は、実在した人物。数々の逸話がある伝説のギャングとのこと。

「ベビーフェイス」・ネルソン(レスター・ギリス)福槌屋さん)
ベビーフェイス・ネルソンに関する詳細な解説あり。

ベビーフェイス ネルソンallcinema
1995年制作のアメリカ映画。

殺し屋ネルソンキネマ旬報DB/ Walkerplus.com
こちらは巨匠ドン・シーゲル監督による、1957年の作品。

関連リンク
*1

ジョン・タトゥーロ演じるアンブローズは「名探偵モンク2」(第2話「おかしな兄弟」や「名探偵モンク3」(第2話「モンクの父帰る !?」)に登場。

*2

ザ・プラクティスFOX CHANNEL

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